怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

新・刑事コロンボ 虚飾のオープニングナイト

「新・刑事コロンボ 虚飾のオープニングナイト」 WOWOW

売れない女優バネッサの自宅に元夫トニーがやって来た。彼はバネッサと現在の恋人ジャスティン・プライスの写真を見て激高。トニーは、ジャスティンが建設中のナイトクラブに出資していたのだ。殴られそうになったバネッサは、思わずトニーを突き飛ばす。転倒したトニーはそのショックで死んでしまう。バネッサはジャスティンに相談。死体を隠す工作を行う。トニーが投資した金がジャスティンの高座に振り込まれるのは36時間後。ジャスティンとしても、それまでトニーの死を隠しておきたかったのだ。
すべてが順調に進んでいると思った矢先、二人の前に脅迫者が現われる。フリーのゴシップ記者で、トニー殺害の一部始終をカメラにおさめていたのだ。ジャスティンは彼の殺害を決意。彼を自宅アパートから転落死させる。
コロンボは転落した記者が、足の爪を切りそろえていたこと、マウスウォッシュを使用していたことなどから、自殺に疑問を持つ。そして、自宅に残されていた招待状から、ジャスティン・プライスのクラブを訪れた。
2003年に制作されたコロンボ最新作。ピーター・フォークはもはやよれよれの老人と化している。コロンボに定年はないのか。
とはいえ、本作はここ数年間の中で一番楽しめたコロンボ。それどころか、新・刑事コロンボの中ではかなり上位にランクされる。展開はものすごく遅いのに、それをまったく感じさせない演出。1つ目の事件が呼び水となって起きる2つ目の事件。共犯関係にある犯人二人の名演技。そして、2つの事件が1つに繋がっていく綺麗な流れ。どうみても正当防衛なのになぜ警察を呼ばなかったのか、などけっこうな小ネタも盛り込まれている。
新・刑事コロンボを見るたびに、もう新しいコロンボなんて見たくない! と思わされてきたのだが、今回に限っては、もう一本見たくなった。2004年、新作はあるのか?