- これは介護や看病をしているときの心持ちをそのまま、記録に残すことを目的としているので、正直、胸くそ悪くなるようなことが書いてあります。関係ないと思った人は、読み飛ばしてください。
- 身内の状態は持ち直してきた。驚くべき生命力。で、私の精神状態は限りなく落ちこむ。これですべてが振り出しに戻ったわけだ。身内が入院している二週間で、私は6桁の金と膨大な時間を失い、様々な手続きをこなすため、本来、仕事に向けるべき気力体力をほぼ使い切った。そして、今日からまた振り出しだ。今日からまた6桁の金の心配と膨大な時間のやりくりと、使い切った体力気力をどこからか探してこなければならない。
- 介護の恐ろしいところは、決してプラスにならないことだ。身内の介護が始まった時点が常にゼロ。あとはマイナスに振れていくだけだ。今回の件で言うなら、身内が入院した時点がゼロ。そこから、果てしないマイナス方向の奈落へ。その後、医師の努力でプラスに転じ、今、ゼロに戻った。でも、それがプラスになることはない。介護者は誉められるわけでもない、報償を得られるわけでもない、ただ、いろいろなものを失っただけ。最初に戻っただけのことだ。でも、これで終わりじゃない。明日からは再びマイナス方向に振れていく可能性がある。そうなれば、前回消費した同じだけのものを、介護者はもう一度消費しなければならない。そしてまたゼロに戻る。介護者に補充はない。そしてまたマイナスに……。そうやって介護者はどんどん疲弊していく。
- 終わりはいつくるのだろうか、私は最近、そのことばかり考えている。それ以上のことは、思っていても書けない。
- 多少なりと介護者をプラスにするものもある。周囲のサポートであったり、ちょっとした息抜きであったり。ただ、私の場合、サポートは皆無であり、一夜くらいの息抜きも許されていない。ここまで手数のかかる介護者を背負いこむケースも希であろうし、ここまで周囲が無能者ばかりであるケースも希だろうけれど、恐らく、世の中には私なんかと比べようもないほど大変な介護を経験されている方々が多くいらっしゃるだろう。そのことを思い、ただ日々、耐えるのみである。