- どうしようかと思いつつ、今敏監督の「遺書」を全文、読んでしまった。才能あるクリエーターによる最後のメッセージとして、心に迫るものがあった。
- 身内の一人は、私が二十歳のとき、病気になり、やせ衰えて苦しみながら死んだ。一人は七年前に病気となり、以前の面影は皆無の状態で、寝たきりの生活を送っている。私自身は、悪性リンパ腫の疑いがあると言われて検査を受け、結果が出るまでの一ヶ月、怯えて暮らした。最近は、友人、知人にも、癌から生還した人、あるいは、亡くなってしまった人がいる。最近、死についてよく考える。
- 今敏監督の遺書を読むと、周囲の方の献身に支えられていたことがよく判る。人の死に様というのは、結局のところ、そこだと思う。
- 「死」について無頓着な人に会うとうらやましく思う。そしてまた、無頓着な人の何て多い事か。昨年、リンパ腫騒動のとき、何人かの人に胸の内を打ち明けようとしたが、誰一人、まともに聞いてはくれなかった。私自身の人間性の問題かもしれないが、ひどくがっかりした。私は献身に囲まれては死ねないのだろう。