怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

介護の日々 死ぬ死ぬ詐欺

  • こういうことを書くのは一利にもならないので止めようと思ったけれど、それは、介護が一時的に私の手を離れた余裕のある時にそう思っただけであって、いざ、また入院とかされてみると、負のオーラで体が満たされ、何か書きたくなる。
  • まあ、こんな記述は読まないで、さっさと発売になった「カゲロウ」でも読むことをおすすめする。
  • 今回の入院で、精神的に追いつめられた理由は二点ある。
  • 一点目は、入院初日に「もうダメかもしれん」と医師に言われたことだ。急変すれば30分もたないと言われ、延命治療は臨まないこととしたので、私の病院到着に間に合わない可能性もあるとのこと。つまりはいつ何時、病院から連絡があるかもしれず、そうなったら、風呂に入っていようが、クソをしていようが、昼だろうが、夜だろうが、すぐに飛びだして病院に行かねばならないことを意味する。携帯電話を一時も身から離すことはできないし、別件などで携帯が震えても心臓が飛び上がる。そんな状態が一週間24時間続けば、おかしくならない方がおかしいだろう。そして、一週間たって、身内は持ち直しつつある。それもまた、何だかなあ。
  • 二点目は、つらつら考えてふと思い当たったことなのだけれど、身内が「自分が死ぬかもしれない」ことをまったく認知していないことだ。己は治ると信じきっていて、病気の内容も理解しておらず、死ぬなんてこと、考えてもいないようだ。もう長くはないかもしれないと知っている介護人からすると、ものすごくかわいくない患者であるわけだ。身内は自分の人生を総括するでもなく、介護人に対して今までの苦労を詫びるわけでもなく、今日の苦労を感謝するわけでもなく、喉が乾いたとか、退院したら飯が食えるかどうかの心配をしているわけだ。その意識の差が、ものすごいストレスとなって襲いかかってくる。多分身内は、死ぬ瞬間まで、明日の晩飯の心配をしているのだろう。いや、下手をすると、当分、今のままで生きていそうだ。私の方が先に死ぬかもしれない。
  • 親が子に対して、これだけ苦しみを与えるとするなら、人は親になってはいけないと思う。