怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

プロジェクトブルーの思い出

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  • そして、早くも火曜日。「プロジェクトブルー」、今回は殺害方法の変更も含め、小説とは異なる点が多いのだけれど、結果として、小説なんかよりも完成度が圧倒的に上がっている。「ミリバール」自体を凶器としたことで、そこから派生する、埃の問題や真作・偽物の問題ーーなど、派生していった小ネタが、犯人指摘の理論で綺麗にまとまる。自分の知らないドラマを見るようで、思い切り集中して見てしまった。誰の原作かはさておいて、完成度の高いミステリードラマに仕上がっていると思う。「刑事ドラマ」と「警察ドラマ」と「ミステリードラマ」はまったく違う。どれが優れているとかの問題ではなく、十把一絡げで語られているのは、悲しい。
  • 信じていたたけないかもしれないが、「プロジェクトブルー」の犯人新井信宏は実在する。
  • 年に一度、キャンプに行く仲間で、知り合ってもう十年以上になる。当然、彼も救いがたいオタクであり、造形もこなす才人である。福家のシリーズを始めて間もないころ、新井氏と呑む機会があった。その席で、どういう流れかは忘れたが、ソフビフィギュアの量産方法について話をしてくれた。「これだったら、レアものソフビの偽物を作ることだって可能だよね」。この一点から、「プロジェクトブルー」はスタートする。
  • 新井信宏は実在ーー、なんて書いてしまったが、実在の新井氏は心の優しい、救いがたいオタクであり、人殺しをしたわけではない。プロット作りのきっかけを与えて下さったお礼の意味もこめ、姓名をそのまま使わせていただいただけである。念のため。まあ、私が知らないだけで、もしかすると、誰か殺していて、ただバレていないだけかもしれないが、それならそれで、彼は完全犯罪達成者である。どちらにしても、新井さん、「プロジェクトブルー」もここまできました。ありがとうございました!
  • 「ブルーマン」は拙著「無法地帯」が初登場だったと思う。以来、あちこちにちらちらと顔をだしている。ちなみに命名は、あの青い顔をした三人組とはまったく関係がなく、「レッドマン」「グリーンマン」がいるのだから、次は「ブルーマン」だろうという、ただそれだけのことである。
  • ウルトラマリンブルーは、当時、夜昼となく出入りしていた、蒲田の模型屋さん「マエストロ」での会話がやはりヒントになっている。オーナーであった、プロモデラー越智信善さんからは、塗装についていろいろと教わった。青についても貴重な話を聞かせてくださり、「青は青でも、実は青ではない」というあたりをそのまま、ラストで使わせていただいた。今はもう「マエストロ」もなく、蒲田からもすっかり足が遠のいてしまった。
  • タイトルについては、いまさら何を言う必要もないと思う。ウルトラセブンの某エピソードのタイトル、そのまんまである。
  • 次週は「月の雫」。四話目にして、初めて「福家警部補の挨拶」からのエピソードになる。