- ある編集者さんの訃報に驚く。52歳……。
- その方とは一度だけお会いしたことがある。デビューして2年目のときだ。「白戸修の事件簿」を気に入ったと連絡をくださった。「何か書いて下さい」と言われ、はりきって書いた。でも、当時はどこかミステリーをなめていたように思う。結果、その方の期待にそうことはまったくできず、それっきりになってしまった。若気の至りで済ますことは簡単だが、自分の中では痛恨事だった。
- 当時、声をかけていただいてすごくうれしかったのだけど、恩返しも、見返すことも何もできなかったなぁ。
- 2年目のころは、本当に失敗が多かった。編集者と喧嘩したりして、仕事をなくした。その出版社とは、今もってただの一度も仕事をしていない。人と人との付き合いは、そういうものなのだろう。戒めとして心に刻んだのだが、最近、忘れかけていたなぁ。編集者さんの訃報で、思いだした。