電気会社社長宅に賊が侵入、社長の義母を射殺し逃走した。社長宅には、全室にビデオカメラが設置されており、その映像は警備員室でモニターされていた。コロンボはその映像録画を元に捜査を始める。しかし、侵入経路などに不審な点が。コロンボは会社社長に目をつけるが、彼には鉄壁のアリバイがあった。
最新機器を使ったトリックというのは、時代とともに風化する。ビデオ録画を大仰に扱った本作は、30年後の今となっては、ほとんど笑い話に見えるかもしれない。そのためか、本作の人気は低い。いや、その存在を知らない人もいるのではないか。再放送の機会もあまりなく、シリーズ中でもひときわ地味な扱いである。しかし、本作をベスト10傑に推すほどのカルト的ファンがいるのも事実。ハイテク(当時)屋敷内で着々と捜査を進めて行くコロンボのミスマッチな魅力。そして、切れ味鋭い推理。「ピエロの人形」の衝撃は、もっと熱く語られてしかるべきである。