怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

「刑事コロンボ 美食の報酬」

「刑事コロンボ 美食の報酬」
レストランのオーナー、ビットリオ・ロッシーが毒を盛られて死んだ。毒の成分は不明。いかにして毒を盛られたかも不明。八方塞がりな状況の中、コロンボは直前まで被害者と食事をしていた料理評論家ポール・ジェラードに目をつける。被害者が引き出しにしまっていた「レストラン振興協会」の伝票。その意味するところは何か。監督、ジョナサン・デミ。ルイ・ジュールダンのウキウキ演技がさえる名編。

  • 恐喝をして金をむしり取り、それがバレそうになるとあっさり殺してしまう、冷血犯人。見ている側は、遠慮なくコロンボに肩入れできる。演出、脚本もその辺を意識しているのか、コロンボの魅力を全開にして見せつける。それが、大盤振る舞いされる料理であり、「明日の今ごろまでには犯人は逮捕されているでしょう」という異例の宣言にも繋がっている。
  • 今回は冷血犯人がコロンボの殺害までを企む。その志や良しである。新・刑事コロンボにも、コロンボを殺そうとした犯人がいた。そのダメっぷりは丸一日語ってもつきることはないだろう。本作で、コロンボはワインを飲まない。そして、「証拠ってのは、こういうのを言うんです」と犯人にとどめをさす。この展開は本当に美しい。物事には限度というものがあり、「ここより、ここをすぎず」が大切なのだ。