怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

女王の教室が終わってしまった

  • 「女王の教室」最終回を見る。ここまで熱狂というか、他のことが手につかなくなるほどに放送を楽しみに待ったドラマは何年ぶりだろう。あの「タイガー&ドラゴン」ですら、「録画して後で見ればいいや」程度だったのに。
  • 第7話あたりから、最終回のパターンを四つくらいに分類して、そのどれを取るのかずっと考えていた。前話で決着の付け方はほぼ特定できていたので、あとはどういう段取りでそこに至るのかを確認するだけ。人によって意見が別れると思うが、私個人としては、ほぼパーフェクトとしたい。唯一、気になったのは、「あおげばとおとし」三番までは長い、くらいか。とにかく、素晴らしいドラマだった。録画したものについては、何度も観るだろうし、DVDが出た暁には、当然、購入するだろう。とにかく、この番組を作ったスタッフ一同に拍手を送りたい。
  • さて、終了と同時にいろいろ言われるのは、こうしたドラマの宿命。一つだけ、驚きの感想を見つけた。その人は最終回を途中それも、最後の4分の1ほどを観た後、番組についてサイトを検索、そこで得た情報を許に、「こんな小学生いるわけがない」「スタッフは教育が何も判っていない」と一刀両断している。これではあまりにスタッフが気の毒なので、あえて言わせていただくが、作品について何かを論じるときは、せめて情報をきっちり頭に入れてからにするべきだ。そうでないと、フィクションとノンフィクションの区別もつかない、アホだと言われても仕方がない。
  • 上記の人とはまったく関係ないことだが、どうしてエンターテイメントを評価するのに、現実社会の反映が論点とされるのだろう。「女王の教室」で描かれたのは、ただの寓話である。一目見れば、それは判るはずだ。各話ごとに明確なテーマが用意されていて、まず主人公の教師がひどいことを子供たちにする。それに対して子供たちが反応する。教師側に何らかの善意の意図があることは明らかで、はたしてそれが何なのかという「謎」が視聴者の興味を引く。多くの伏線がきっちりと張られてあり、子供達のリアクションはそれらを、失笑ものの荒唐無稽さをちりばめながら、丁寧になぞっていく。その結果、教師が意図していた善意が作品のテーマとしてラストに現われる。しかも、それはマイナス方向ではなく、あくまでプラスに、ハッピーエンドに繋がる方向を向いている。これは計算しつくされた良質なエンターテイメントであって、そこに「現実」だの「社会」だのを見い出す予知はない。これだけのものを見せられて、教育がどうの、子供たちがどうの、としか感じることができないとは、何とも哀しい感性だ。最初の数話を観て、恐くて泣いた子供がいるという。泣いた子供は、このドラマをしっかりと受け止めるだけの感性を持っていたわけだ。「子供が泣いたじゃない」とテレビ局に文句を言った大人は、無能だったわけだ。
  • ベランダで模型を塗っていたら、巨大な蜂が! 一直線に飛んできたので、思わず悲鳴をあげてしまった。大きかったなぁ。刺されたら命がないだろう。今年は蜂が大発生しているそうで、都市部でも注意が必要とか。