怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

救え! 演歌の女王!!

Muho2007-02-10

  • 土曜日に放映中の「演歌の女王」が放送短縮の危機らしい。「女王の教室」スタッフが作ったドラマとして、かなり期待されていたようだ。結果は視聴率ひとケタがやっと。第一回から欠かさず見ているが、それも当然という内容。ヒット作を作った人たちが鼻高々になって、自分たちの感性をそのままぶつけてきたところ、理解不能なものに仕上がった。よくあることである。ただこのドラマ、私は大好きなのだ。
  • ドラマは毎回、山のようなお約束に沿って展開していく。思いつくだけでも「子供時代の私の解説」「仕事に行くが何らかの理由で歌えない(5話では歌えてた)」「妄想(格闘&漢字解説)」「妄想(分岐)」「演歌独唱」「心情吐露(字幕付き)」「死にかける→病院での復活」「ひとりぼっちは寂しいよぅ」。以上順不同。書き忘れもあると思う。これだけのお約束に、「お人好しひまわりの抱える災難」をかぶせていくことで、一本できる。面白いかどうかはともかく、これはとても高度なこと。ただ一般に、理解できるとは思えない。特に、「子供時代の私」と「演歌独唱」は難易度が高すぎる。「妄想(分岐)」はさすがに退屈(結果が判っているから)。「妄想(格闘……)」については、見ているこちらが恥ずかしい。
  • でも、お人好しのひまわりが次々とふりかかる、別に解決しなくてもいい災難を次々と背負いこみ、それらがお互い作用することで、災難が上手く解決できないように持ってくる上手さ。解決に尽力して、周囲が幸せになればなるほど、ひまわりは孤独になっていく切なさ。ただひたすら良く計算されていて、丁寧に作ってある。
  • ああ、どうか短縮だけは勘弁してください。ここに独り、このドラマを楽しみにしている人間がいるのです。
  • ちなみに「貞子は見た!」最高。レギュラー化を望む。DVDの特典とかにはしないでね。