怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

女王と教室

  • 「女王の教室」第二夜を見る。教職復帰したマヤに何があったのかは、本編で語られているだけに、難しい。第一夜は単純な崩壊転落ものとして作れば、キャラクターだけで見せることも可能だったわけだし。
  • 結論から言えば、たいへんに面白かった。本編はマヤのHPは満タン、生徒はゼロ。つまり100対ゼロの対決で、勝敗はみえている。第一夜はマヤのHPゼロ、生徒側100の対決なので、これまた勝敗は見えている。でも今回はマヤのHP50で生徒側も50。50対50の対決をしっかりやってくれれば、面白いだろうなと期待していたら、しっかりとやってくれた。そこで満足。そのうえ、「更生」までしてしまうのだから、大したものだと思う。
  • ただし、一般的にはあまり評価されないだろう。何となくそう感じる。虐め殺しや堕胎奨励とか、ちょっとわざとらしい側面もある。社会問題化をわざとねらっているような。
  • もう一つ、大きな問題は、「女王の教室」はマヤの真意を知らないで見るからこそ、子供たちが泣いて怯えて感動したのであり、このスペシャルは壮大なネタばらしになっていること。たとえ本編の再放送が行われても、スペシャルを先に観てしまった人には、純粋な面白さが伝わらない。本編をリアルタイムで観られたことは、幸せなことだった。
  • 私は「女王の教室」を一種のヒーロー(ヒロイン)ショーとして観ている。だから、内容がパクりであろうが、問題表現があろうが、関係ない。ヒーローは自己犠牲によって子供たちを救うのであり、その自己犠牲を子供たちに見せないところが美しい。大人におもねらないヒーローショーをひさしぶりに観られたから、うれしかったのだ。
  • 自己犠牲の部分に深く入りこむスペシャルはちと複雑な思いではあったけれど、「ヒーロー誕生の瞬間」は、いつの時代にも必要なことだ。これ以上の継続は、正直、望まない。