- 「ウルトラセブンX」を見る。巷の評価は今ひとつの本作。まぁ、その理由も判らなくはないけれど……。つまりは、「ウルトラセブン」を使った代償は大きかったということか。
- 謎の円盤によるアブダクション、誘拐された人々はなぜ自発的に連れ去られたのか。その謎の解明に暗躍する謎の男が絡む。謎の男はともかくとして、やはり一番問題なのは、円盤の襲来目的、アブダクションの真相、妻の死の真相、すべてが解明されないままに終わることだろう。後のエピソードで解明されるのかもしれないが、それならそれで、「解決はもう少し先なんだ」と理解させる説明が必要だろう。主人公が解明したのは、「つけっぱなしのテレビの謎」だけで、それでドラマをひっぱられてもちょっと苦しい。ただ、「潜在意識」という使い古されたテーマを軸にしながらも、セブンとなった主人公に「おまえは本当の自分なのか」と問いかける収束感は素晴らしい。記憶のない主人公をいかに動揺させるかが、今後のポイントになるわけで、その点においては成功していると思う。
- 圧倒的なセブンの存在はかなり好き。お約束の殺陣をあえてはずし(はずさざるを得ない?)た展開は、唯一、往年のウルトラマンを彷彿させるところだ。
- 被害者宅のテレビがつけっぱなしになっているのが気になった。せめてスイッチは消えていて、その代わり、リモコンが不自然な形で落ちている。スイッチを入れると砂あらししか映らない……でも良かったように思う。
- もう一つ、近未来が設定されているのだが、どう見ても、現代にしか見えない。現代を工夫して描写することで、近未来に見えてくる(ウルトラマンティガのような)ならともかく、工夫がかえって現代感を増幅し、CGとの違和を生んでいてはどうにもならない。