- 某文庫化のゲラで沈没中。文庫のゲラだから、とスケジュールの中に押しこんだのだが、来てみてびっくり。あらゆるページに書きこみがなされ、ストーリーの根幹に関わる指摘が山のようにある。これは夢か? 夢なら悪夢だ。とにかく、この校正者の指摘の腹立たしいこと。仕事としてやっているのは判るし、優秀なのも判る。だからといって、小説には物語というものがある。ましてミステリーには種と仕掛けがある。そのすべてをつじつま合わせの点からチェックされても、対応はしきれない。「こうした場に水路は造りません」。それじゃあ、もう全部ダメじゃん。「若い人は田舎の駐在にはなりません」。別にいいじゃないか、若くした方が面白いんだから。一事が万事、こんな調子。精神的にフラフラ。もう、ダメだと思う。この本は文庫にできない。それぞれの指摘を真摯に受け止めていたら、少なくても半年や一年は直しにかかるだろうし、いまのところ、それに取りかかるだけの気力がわいてこない……というか、その修正に自身が納得できていない。だから、もうすっぱりとださない方がいいと思っている。そんなことを考えていたら、校正側から「直しがすごく多いので、発売時期を遅らせた方がいい」と意見が出たらしい。ご親切なことだ。私は校正に発売時期を決めてもらわねばならない物書きなのか。ふざけるな。……と火に油を注がれて夜を迎えた。引っ越しがあって、親の看病があって、他にも仕事があるというのに、何でこんなことで神経をすり減らさねばならないの? もう勘弁してください。
- とうとう行けなかった三鷹市美術ギャラリーでの「怪獣と美術展」
- 私にとって成田亨氏(高山良策氏を加えてもいい)は特別の存在。氏の栄光を今一度、追体験したかったのに、あまりに忙しすぎて、気づいたときには終わっていた。仕方なく、図録だけギャラリーより購入。到着が楽しみ。
- ザク。