- 大日本絵画より、「岡プロの『モナカキット』ガンプラ改造講座」という本が出た。モナカキットと言うのは、30年近くに発売された、元祖ガンプラのこと。値段は300円からせいぜい2500円くらいまで。ほとんどのパーツが左右からの挟みこみ、当然、内部フレームなどはなく、中身はがらんどう。これを称して「モナカキット」。うまい命名だ。
- ただ、30年前のプラモとはいえ、設定画に近い、素のプロポーションを持ったキットはいまなお、充分に魅力的。今回発売されたムックには、プロモデラー岡氏による「グフ」の制作過程が、これでもかというくらい、細かに掲載されている。岡氏は、月刊モデルグラフィックスで、モナカキット攻略をしている人。
- 最初、モデルグラフィックスに掲載されたモナカキットの作例が再録されている本だと思って、買った。ところが、103ページにわたって載っているのは、ほとんど、「グフ」だけ。なんじゃこりゃ、と投げ捨てようとしたのだけれど、よくよく読むと、これがかなり高度なHow To本であることに気づく。切って、貼って、曲げて、盛って、削って……その過程が細々と写真入りで載っている。掲載されているのは、あくまでも「グフ」だけれど、この作業工程を理解すれば、あらゆる工作に応用できるわけだ。ザクだって、マシーネンクリーガーだって、作れるわけだ。そこに気づくと、こんなに楽しい本はなく、ひたすら熟読。なかなかの名著だと思います。