怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

記録は止まる

 思った以上に長く感じたかもしれない。終始うつむきながら阪神・俊介はバスへと続く通路を歩いた。8回の盗塁企図がサインだったかという報道陣の質問に「ちょっとそれは…」と口を閉ざした。広陵の先輩・金本の連続試合出場ストップについても「とにかく申し訳ないです」と消え入るような声で繰り返した。
 だからこそ悔やまれる。勝利をたぐり寄せたのは間違いなくこの男だった。4回の第2打席。1死から朝倉が投じた133キロの直球を振り抜いた打球は一直線に左翼席に着弾した。「よかったとは思うけどホームランを求めてはいないので」。本人は謙虚だったが、プロ2本目となる今季1号で貴重な1点を叩きだした。さらに第3打席も右翼の前にポトリと落ちる二塁打で2試合連続のマルチ安打を記録。開幕からチーム唯一の4試合連続安打で打率は・538まで上昇した。
 ジェットコースターのような1日を象徴するように守備では5回に森野の飛球を落球するタイムリーエラーも犯し「グラブに当たったので絶対に捕らないと」と悔しがった。苦い1日を糧に俊介は強くなるしかない。

  • イケイケになった若者が興奮のあまり、やっちまったってことか。バカだよなぁ。
  • しかし、君はヒーローだ。将来ある若者が暴走して記録を止めたからって、誰が文句を言えようか。よくやった。よくやってくれた。