怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

母がしんどい

  • ちょっとわけあって、東京と大阪を往復する毎日……。
  • 先日、「やさしい虐待」について少し書いたら、何人かの方からメールをいただき、少しやり取りをさせていただいた。それぞれに違う形で苦しめられ、解決の探り方も千差万別、やはり、普遍の解決方法なんてないのだなと実感した。
  • もう一つ問題となるのは、子供のころに受けた酷い扱いについて、人に説明したいが、何しろ当時は子供であり、時間も経過しているため記憶がおぼろげで、具体的に何をどうと言えないことだ。さらに、たとえ言えたとしても、客観的に見ると、実にくだらない、取るに足らないことであり、第三者に理解してもらえるのかどうか、はなはだ心許ない。
  • 判りやすい例を晒すなら、誉められたことがない。テストで20点をとると怒り狂い、何日も口をきかなくなるが、90点を取っても「あらそう」で終わる。
  • 判りにくい例を晒すと、子供のころ、近所の友達と川で遊び、服をびしょびしょにして帰宅した。当然、すさまじい勢いで怒られた。「着るものはないから裸でいろ」というよくあるパターンだ。その少し後、母に連れられて母の友達の家に行った。そこには同年の男子がいて、二人で遊ぶことになった。彼は近所の池に連れて行ってくれた。そこで多いに遊ぼうというわけだ。だが私の記憶には、川で服を濡らし怒られたことが残っている。だから、池には近づかなかった。家に戻ると、友達から聞いたのだろう、私が服が濡れるからと遊びに積極的ではなかったと、これまた烈火のごとく怒り始めた。「人と仲良くできない我が儘な馬鹿者」と言われる。この時点で、子供のこっちは、何がなんだか判らない。そうしたことが、いろいろな局面で起こる。家にずっといると、「家にばっかりいるな、表で遊べ」と怒られる。外に行くと、「出歩いてばかりで」と怒られる。万事がこんなふうに進む。
  • これを見て、「虐待だなんて大げさな」と思う人がほとんどだろう。「それはあなた自身に問題があっただけで、責任を親に押しつけるなんて、もってのほかだ」と思う人も多いだろう。でも、私自身は、立派な虐待だと思っているし、今、私は多いに幸せな人生を歩んでいるが、もしもう少しまともな親に育てられていれば、また違った幸せを掴んでいたに違いないと信じている。
  • つまりは、実態のはっきりしない、解決方なんてない、酷く難しい問題だということだ。
  • ただ大事なのは、人から何といわれようと、「何かおかしい」と気づくことだ。「当たり前」だと思っていたことが、世間では「当たり前」ではなかったと気づいたなら、そこはしっかりと追及していった方がいい。そうでないと、いつまでも、実態のない苦しみに囚われたまま、人生を生きることになる。

追伸

  • いまのところ、唯一の解決法は、田房 永子著 、「母がしんどい」を読むことだと思う。

 

母がしんどい

母がしんどい

  • 作者:田房 永子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
  • 発売日: 2012/03/23
  • メディア: 単行本