怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

落語〜

三遊亭兼好 王子の狐

弟子については一言も触れず、まくらに。爽やかな兼好師は、詐欺師を演じさせると右に出るものはいない。騙す者と騙される者の演じ分けが特に秀逸だから、とにかく面白い。いつもは人を手玉にとる狐が人間に完膚なきまでにやられる。この人間たちを兼好師がやると、どうにもギリギリ憎めない人物に仕上がるから、不思議だ。

 

三遊亭兼好 品川心中

上、下に分けるのではなく、あらたな下げをつけて、復讐乗り込みまでを一気に。真珠湾攻撃を例にだすまでもなく、理屈抜きの笑いの連続で、これぞ兼好師の真骨頂。これだけの腰の据わった芸は簡単に出会えるものではない。その芸が妙な写実や芸術に行くのではなく、あくまで庶民の笑いに向いている所は素敵。芸と古典知識を鼻にかけたヤツが多いんだよね。上手いと面白いはまた違う。