「刑事コロンボ・権力の墓穴」
ヒュー・コールドウェルの自宅に何者かが侵入。宝石を盗んだうえ、妻ジャニスを絞殺した。隣人である警察署長代理マーク・ヘルプリンが逃走する人陰を目撃、彼の指揮の許、警察は捜査を始める。だがその夜、犯人はマーク宅に侵入、妻を溺死させる。二つの殺人を追うことになったコロンボだが、常習窃盗犯が犯人であるとするマークの見解に疑問を持つ。コロンボの推理にことごとく反対する上司の思惑は?
倒叙という枠を超え、ミステリーとしても新味にあふれる「傑作」……といって良いだろう。担当がコロンボでなければ、間違いなく、(殺人に関しては)無罪の男が死刑になっていたはずで、解決後、警察はどう釈明したのだろうと余計なことを考えてしまう。DVDノーカット版で見たのだが、カットシーンの多さに唖然。今まで知らないシーンがこんなにあったのか。コロンボが再三遅刻の言い訳にする「車の故障」。その故障シーンもちゃんと描かれていたりする。所見は小学生高学年のころか。NHKの放送でである。奥さんを風呂場に沈めるシーンが子供心に強烈で、本作は「恐い」という印象が大きかった。