怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

刑事コロンボ 祝砲の挽歌

陸軍士官学校の開校記念式典中、砲台が爆発。主催者が爆死した。事故と思われたが、コロンボは現場で焼けただれたボロ布を発見する。祝砲の爆発は、事故か殺人か。大砲の清掃係で落ちこぼれの生徒が、まず疑われるのだが。パトリック・マクグーハン初登場の名作。祝砲を利用した殺人と、規律の厳格な士官学校内における「林檎酒」密造事件。一見、無関係な二つの事件がコロンボの手により鮮やかに結びつく。犯人の計画は、実は完全犯罪級であり、林檎酒を見たという偶然に頼らねばコロンボも解決できなかった。そのあたりが、ミステリー的にはつらい。とはいえ、作品の持つ味、役者の魅力がそのあたりをはるかに凌駕していて、シリーズ内でも傑作の位置につけさせている。DVDには、今回も多くのカットシーンが追加されている。容疑をかけられ逃走するスプリンガー。いつのまにかコロンボが連れ戻して来るのだが、実は、ちゃんと発見するシーンがあった。ガールフレンドのスクールバスをプジョーで追跡するなど、ファン必見。もう一点、真夜中に弾道検査係に電話するシーンも今まではまるまるカットされていた。このシーンのスチールが、小説版「祝砲の挽歌」の表紙に使われており、どうして本編内にないのか謎だった。シャツ一枚で電話をかける、格好いいコロンボ。