怪獣万歳!

muho2’s diary

小説を書いて暮らしている大倉崇裕です。怪獣が3度の飯より好きです。政治的な発言は控えていましたが、保険証廃止の動きで頭が沸騰し、しばらく叫き続けていきます。自分自身大病もしたし、12年間親の介護もしました。その経験からも、保険証は廃止しちゃダメ。絶対!

長坂秀佳と「殺人メロディを聴く犬!」

  • 特捜最前線第195話「殺人メロディを聴く犬!」(脚本・長坂秀佳 監督・野田幸男)を見て、あまりの面白さにふらふらとなる。


[ストーリー]
ある雨の夜、叶刑事は駐車場で衰弱した野良犬を見つける。だが事件の通報が入り、その場を離れる叶。翌朝戻ってきた時、犬の姿はなかった。
10日後、やはり雨の夜、叶は男に乱暴されている犬を救う。それは何と、10日前の野良犬だった。叶は瀕死の犬を自宅に連れ帰り、テツタロウと名付ける。看病の甲斐あって、元気を取り戻すテツタロウ。だが団地内で犬は飼えない。結局、犬好きの家庭に引き取ってもらうことに。
だが、その翌日、子供と散歩中のテツタロウが車に襲われる。深夜には睡眠薬入りのソーセージを与えられ、危うく刺殺されかける。何者かがテツタロウを狙っているのだ。テツタロウをいったん引き取り、ペットショップに預ける叶。だが今度は、そのペットショップの店主が刺殺されてしまう。テツタロウを狙った犯人とはち合わせ、動転して犯人に刺されたのだ。
犯人はなぜテツタロウを狙うのか。さらに、店主に顔を見られただけで、どうして刺殺しなければならなかったのか。叶はテツタロウの身元を洗いはじめる。
ギターの音に異常な反応を見せるテツタロウ。そのことを手掛りに、叶はついに飼い主の家を突き止める。だが、飼い主の青年は2ケ月前に刺殺されていた。
テツタロウは犯人を知っている。そのため、犯人に狙われているのではないだろうか。テツタロウと叶のコンビが真犯人に迫る。

  • 犬好きには涙なくしては見られない傑作。犬はこうでなくてはいけない。犬は良い。
  • 叶の生い立ちと野良犬。その立場をオーバーラップさせる手腕は長坂秀佳ならでは。「俺だって雑種です」の一言があるだけで、物語の説得力が全然違ってくる。
  • 自分の犯罪を目撃(?)した犬がどこまでもどこまでも追ってくる。犯人にとってこれほど恐いことはないはずで、犯人の面が割れてからの畳み掛けは圧巻。麻薬の常習者にしたあたりは、ちょっと「逃げ」だったかなとも思うが。
  • 「太陽にほえろ!」にもジュンという警察犬が出てきて画面をさらっていった。テキサス、ボンとコンビを組んだ名犬。テキサスの殉職後、再登場するエピソードで、屈指の名シーンがある。今はスコッチのものとなったデスクに、テキサスの殉職を知ってか知らずかジュンがちょこんと座っているのだ。スコッチが苦笑しつつジュンにデスクをゆずってやる……。やっぱり犬は良い。
  • 長坂秀佳、次回は海外編「ローマ→パリ縦断捜査!」。海外といえばGメンだが……。