- テレビを見る間もなく、浅草演芸ホールに行く。仕事です。初席ということで、場内は満員。少し遅れていったのが大失敗で、しばし立ち見をするハメに。浅草演芸ホールで私が一番好きなもの、それは自動で伸び縮みするマイク。漫才やマジックのときにはするするとスタンドが伸び、落語になると短くなる。これを見ているだけでも、メカ魂が刺激されて心地よい。
- 聴いたのは第三部。約2時間半に20人をこえる芸人さんが入れ代わり立ち代わり。漫才が少なくてちょっとびっくり。いきなり小朝が出るし。いっ平は残念ながら出てこなかった。それを見て数人のお客がそそくさと帰っていった。あなたがた、この忙しいときに、わざわざいっ平を見にきたの? とあれこれ考えているうちに、次の演者のネタが半分くらい終わっていた。謎のいっ平ご贔屓集団。
- 二楽師の紙きりが見られたのは収穫。お題は「羽根つき」と「ねずみ」……もとい「ミッキーマウス」でした。
- 交代で馬桜師匠の出演もあるとプログラムにあったので期待していたのだが、本日は違った。残念。
- 正月だ、目出たい、と言ってもけっこうブラックな縁起の悪いネタをぶちかます人がほとんど。「この会場にいらっしゃるお客さまのみの健康と反映を祈ります。ここを素通りして映画館か何かにいった人が一日も早く交通事故にあいますように、お祈りします」客席、どん引きでしたぜ。こんなことを堂々としゃべれるなんて、すごい度胸だと感心する。私はけっこう縁をかつぐ方なので、こんなことを言った日には、即、自分の身に不幸がふりかかってくるのではないかと怯えてしまう。私は噺家にゃ、なれませんな。
- トリは馬風師匠。首が取れるんじゃないかとひやひやした。
- この仕事でご一緒している編集さん、物腰は丁寧だし、しっかりしているのだけど、大変に生真面目な人。毎月寄席にいくたび、資料を持参し、何やらメモをとっている。落語も今まで聴いたことはないし、寄席も初めて。だから「新春初席は昼間でも混む」「一人の持ち時間は5-10分で、ほとんどが小ばなしでおりてしまう」「出演者はプログラム通りにはいかない」などの知識もない。そういう人主導で毎月寄席に行かねばならないのだから、こちらもついイライラしてしまうのでした。当初はこの仕事を北村薫先生に依頼したらしい。こんなむちゃくちゃな段取りで、北村御大を毎月寄席に派遣するつもりだったのか! 知らぬとは恐ろしいことよ。
- 仕事となったら真面目に取り組みますから、来月からは一人で行かせてくれないでしょうか。横でメモとかされると、雰囲気壊れるのよねぇ。
- MGどむ。