- 相棒5も残すところ、あと1話。全体として、やはり期待通りの作品だった。各キャラクターも脇役にいたるまで、心憎いほどに確立されていて、こういう贅沢さは「相棒」独自のものだろう。当然ながら、第6シリーズに向け、早くも期待が高まるわけで。
- ただ、第5シーズンについて思ったことは、いつも書いているけれど、当たりとはずれの落差が激しかったことだ。「ふつうに良かった」エピソードが少なく、あまりの面白さにひっくりかえるか、あまりのつまらなさにひっくりかえるか、のどちらかだった。これは、大きな不安材料の一つ。
- 個人的なベスト5をあげるとすれば、
1 元旦スペシャル 「バベルの塔」
これはとてつもない大傑作で、二時間半の「密室劇」、周到な伏線、意外な犯人……等々、文句のつけようがなかった。
2 杉下右京 最初の事件
時効ものの新たな可能性を開いた名編。複合的な事件展開なので、印象が薄くなるところだったが、奥名恵の配役が絶妙だった。
3 Wの悲喜劇
タイトル通りの印象を残す名作。見ている側の「盲点」を完璧についていて、「ああ、やられた」と嘆息できる。
4 名探偵登場
これまたタイトル通りの名編。ゲストの好演がぴったりとはまっている。ダメな人が実は……という展開に目がないもので。
5 裏切者
相棒世界の「陰」を扱った傑作。今シーズンはこうしたパターンが少なく残念。発端の事件と結末がどーんとかけ離れている。それこそがミステリーの魅力。
次点 赤いリボンと刑事・イエスタデイ(3月19日追加)
次々点 殺人ワインセラー・剣聖