- 「特捜最前線」第279話 誘拐・ホームビデオ挑戦状! (原案・小久保英治、小久保昌治 脚本・長坂秀佳 監督・辻理)を見て、あまりの面白さにフラフラになる。
9月18日午後5時、南池袋公園で少女が行方不明となった。母親の眼前、植えこみの影に隠れた数秒のうちに姿を消したのだ。少女は中原キミヱの一人娘ちぐさ、6歳。
午後8時38分、特命課現場到着。付近捜索の結果、ちぐさのものと思われる人形、靴の片方が発見される。
その夜、キミヱ自宅のポストにホームビデオが。「NO.1」とされたテープには、縛られたちぐさの映像がうつっていた。さらにテープ後半にはキミヱの姉であるフジコの姿が。彼女は著名な評論家笹垣の後妻となっていた。
犯人の狙いはキミヱではなく笹垣にあるのではないか。笹垣宅を訪問した特命課は、留守番電話に残された犯人からのメッセージを聞く。ちぐさを預かったと言うメッセージはすべて英語。後にそれは、市販の音声翻訳機を使用したものと判る。
やがて「NO.2」のビデオテーブが。縛られたちぐさの背後には大きな窓。そこから見える東京タワー。監禁場所を割り出すべく、所轄総動員で東京タワー周辺を捜査するも、すべて空振り。映像にあった窓は、現実には存在しない、合成画面であった。
そして「NO.3」のテープ。そこには犯人の要求が。
紫の涙を(1)このテープが入っていた紫の小袋に入れ
(2) 笹垣フジコの右手に持たせ
(3) 20日午前10時
(4) 高田馬場駅噴水前に立て
紫の涙とは、笹垣が1億2千万で落札したばかりのネックレス。
笹垣からネックレスの提供を受け、指定場所に立つフジコ。だが、わずかな隙をついてネックレスはフジコの手から消える。
犯人はいかにして、母親の前からちぐさを連れ去ったのか。衆人環視の中、ネックレスを奪った方法とは……?
ネックレス奪取後もちぐさを返さない犯人。特命課は彼女を救出することができるのか。
- ビデオテープが高額で、おいそれとは買えなかったころの物語。知能犯というより技術犯で、いまとなっては、そうした驚きも感じられないため、サスペンスも空回り。よく判っていなかった当時は、飛び交う技術用語にわくわくしたのだろう。
- 原案者がいたことは、クレジットを見て知った。「長坂秀佳術」で確認したら、「兄弟で応募してきたやつだよね」とある。何らかの公募が行われたのだろうか……と思って調べたら、277、279、287話は視聴者からプロットを公募したらしい。今回の場合、テレビを見ていた採用者の兄弟は「顔が青ざめてきて、汗が出てきた」とか。「自分たちが書いたのと全然ちがうドラマだったから」。元はどんな話だったのだろう。ちょっと気になります。
- はっきり言って、本編そのものは大したことないのだが、長坂節は中盤、橘で炸裂する。そして、真の感動は事件解決後に現れるのだ。あのラストシーンがなければ、フラフラにはならなかっただろう。
- 次はしばらく空いて、第287話 リミット1.5秒! 。川地民夫が何を……?
- その後は、いよいよ長坂秀佳シリーズの幕開け。一ヶ月ぶっ通しで長坂秀佳だったりする。その辺の紆余曲折は「長坂秀佳術」に詳しい。長坂不在の間は、佐藤五月の何だかよく判らないインチキ長坂秀佳みたいなエピソードがいっぱい。いや、それはそれで面白いのだけれど。
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レビューを見て、購入しようとしたジャズのCDが五週間たってもこない。アマゾン、どうなっているのだ?
マゴマゴしていたら、「ボトムズ」とか「特捜最前線」のDVDが来てしまうではないか。 -
先日、惜しまれつつ閉店した吉祥寺の書店「TRICK+TRAP」。本を搬出し広くなった店内で、17、18日とちょっとしたお別れお茶会をやるらしい。お世話になった戸川さんより厳命が下ったため、17日は3時から5時くらいまで店におります。お暇ならのぞいてみてください。
- ヘイズル。